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木型による真空成形の特徴
収納性や使い勝手の良さなどで、梱包材としてメリットのあるプラスチックトレーやブリスター。その多くは、真空成形という方法で作られています。真空成形とは、名前の通り、真空を利用して薄いプラスチックシートを型に吸引・密着させ製品を形作る方法です。型自体に複雑な機構を必要としないため、射出成形などと比べて初期費用があまりかからず、短期間での製作が可能です。
多くの会社は真空成形において金型を使用しています。射出成形よりは割安とはいえ、最初に数十万円の金型代が必要です。これに対して、梱包材・トレー・ブリスターをご提供する「株式会社朝日化成」では、木型による真空成形品の量産を行っています。ここでは、木型真空成形の特徴とメリットについてご説明します。
真空成形とは
プラスチックを成形する方法には、射出成形、ブロー成形、圧空成形などがあります。真空成形はその中の1つで、食品用トレーや工業製品用トレーなどの製造工程において、広く利用されている方法です。
真空成形では、まずシート状の薄い樹脂(プラスチック)を加熱して柔らかくします。次にシートと(凸または凹の形状を施した)型の間の空気を抜いて真空状態にして密着させます。最後に樹脂を冷却して、型から外せば、型と同じ形状の製品の完成です。
真空成形メーカーの99%はアルミニウムなどの金型や樹脂型を使用していますが、当社では木型での量産を実現しています。
包材市場の動向
かつての包材市場は、少ない種類の商品をいかに安く大量に作るかが重要視されてきました。つまり大ロット・少品種の生産です。ところが不景気や社会の成熟化、嗜好の多様化などを反映して、包材市場でも小ロット・多品種化が進んでいます。
弊社は創業以来、小ロット・多品種を求めるお客様のニーズと信頼に応えてきました。この小ロット・多品種対応を可能にしたのが、当社独自の加工技術である「木型真空成形」なのです。
朝日化成では長年の研究により、木型真空成形において、一般的な木型の常識を超えた精度と耐久性を実現しました。人工木材(MDF)を使用し、独自の加工を施したことで、飛躍的に耐久性が向上。一度の型製作で、100万個単位の生産も可能です。
耐久性とともに精度も向上しています。型の掘削プログラムは、金型と同じくCAD/CAMシステムを使用。NCルーター機による掘削によって、金型と変わらない製品精度を実現しました。型公差はわずかに0.05mmです。
しかも費用は、金型費の約3分の1程度。朝日化成の木型は金型に比べてコストの面でも大変優れています。
金型真空成形との比較
金型真空成型
- 型を作るためのイニシャルコスト(初期費用)が高くなります。
- 金型は製品の冷却効率が高いため、木型より工賃(製品単価)を抑えることができます。
木型真空成型
- 木型真空成形はイニシャルコストが安くなります(金型の約3分の1)
- 型製造にかかる時間が短いため、短納期対応が可能
まとめ
- 1ロット数十万の大ロット・少品種では、金型真空成形のほうが総コストが安い。
- 小ロット・多品種の製造にかかる総コストは、木型真空成形のほうが圧倒的に優位。
真空成形の流れ
シート加熱
上下のヒーターでシートを加熱し、
加工できるように柔らかくします。
セット
柔らかくなったシートを型の上に移動させます。
密着
シートと型の間を真空状態にして、密着させます。
離型
冷却して固まったシートを型から離します。
加工
サイズに合わせて型抜きをします。必要に応じて、穴あけや折り曲げなどの2次加工も行います。